狭心症は、心臓に血液を供給する冠動脈が狭くなることで、心筋への酸素供給が一時的に不足し、胸の痛みや圧迫感が生じる病気です。症状は数分以内に治まることが多く、「大したことはない」と見過ごされがちですが、心筋梗塞へと移行するリスクを内包しています。胸に違和感を覚えたことがある方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
狭心症の多くは動脈硬化によって引き起こされます。動脈硬化とは、血管の内壁にコレステロールや脂質が蓄積し、血管が硬く・狭くなっていく状態です。冠動脈がこの変化を受けると、安静時には十分だった血流が、運動や精神的な緊張によって心臓の酸素需要が高まった際に追いつかなくなります。これが「労作性狭心症」と呼ばれるタイプです。
一方、動脈硬化の程度が軽くても、冠動脈が一時的にけいれんして収縮することで発症するケースもあります。「冠攣縮性狭心症(異型狭心症)」と呼ばれるこのタイプは、安静時や夜間・早朝に症状が出やすいという特徴があります。いずれの場合も、症状が出ているときと出ていないときで心臓の状態が異なるため、発作時の記録や詳細な検査が診断の鍵となります。
狭心症の発症・進行に深く関わる生活習慣の乱れとして、まず挙げられるのが喫煙です。タバコに含まれる成分は血管を傷つけ、動脈硬化を加速させるだけでなく、冠動脈のけいれんを誘発する可能性も指摘されています。また、脂質の多い食事や運動不足による肥満は、高コレステロール血症や高血圧につながり、血管への負担を増大させます。
精神的なストレスも見逃せない要因の一つです。強いストレスは交感神経を刺激して心拍数と血圧を上昇させるため、心臓への負荷が高まります。高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病をすでにお持ちの方は、これらの管理が狭心症の発症を防ぐうえで直接的な意味を持ちます。
当院では、問診・聴診から始まり、心電図・血液検査・心臓超音波検査などを組み合わせて、現在の心臓の状態と発症リスクを総合的に評価します。
症状が出るタイミング・持続時間・誘因(運動・食後・起床時など)について詳しくお聞きします。既往歴や家族歴も診断の重要な手がかりになります。
安静時心電図に加え、運動負荷心電図やホルター心電図を状況に応じて実施します。血液検査では脂質・血糖・炎症マーカーなどを確認し、動脈硬化の進行度を把握します。
検査結果をもとに狭心症の種類と重症度を判断します。薬物療法(硝酸薬・カルシウム拮抗薬・抗血小板薬など)が適応となる場合は当院で対応し、カテーテル治療や冠動脈バイパス術が必要と判断した場合は、専門医療機関へご紹介します。
薬の効果や症状の変化を定期的に確認しながら、治療内容を必要に応じて調整します。生活習慣の改善についても、無理のない形でともに考えていきます。
狭心症の予防の柱は、動脈硬化を進めないことと、心臓への過剰な負担を避けることです。具体的には、禁煙・節酒・減塩を意識した食習慣の見直しが基本となります。油脂の多い食品や加工食品を控え、野菜・魚・大豆製品などを積極的に取り入れることで、血中のコレステロール値を適正な範囲に保つことが期待できます。
運動については、激しい動きは避けつつも、ウォーキングや軽いストレッチといった有酸素運動を習慣にすることが望ましいとされています。ただし、すでに症状が出ている方が自己判断で運動量を増やすのは危険を伴う場合があるため、運動の内容は必ず医師に確認してください。また、寒暖差が激しい環境や過度な緊張状態は発作の引き金になりやすいため、日常生活のなかでそうした場面をできるだけ避ける工夫も大切です。
すでに高血圧・糖尿病・脂質異常症の治療中の方は、それらの数値管理が狭心症の予防に直結します。定期的な受診と薬の継続が、将来の心臓病リスクを下げる確かな手段です。
A. 症状が数分で治まっていても、繰り返す場合や誘因に心当たりがある場合は受診をお勧めします。狭心症は発作の間に自覚症状がなくなるため、「治った」と感じやすい病気です。放置すると心筋梗塞に移行する可能性があるため、当院でまず検査を受けてください。
A. 狭心症は血流の低下が一時的であり、心筋への障害は残りません。心筋梗塞は冠動脈が完全に詰まって血流が途絶え、心筋が壊死してしまう状態です。狭心症を適切に管理することが、心筋梗塞の予防につながります。
A. 多くの方は薬物療法と生活習慣の改善によって、日常生活を大きく制限することなく過ごすことができます。ただし、運動強度や食事内容については個人差があるため、担当医の指示に沿って調整することが重要です。
A. 冠動脈疾患には遺伝的な素因が関係することが知られており、家族歴がある方はリスクが高い傾向にあります。自覚症状がなくても、一度当院で心臓の状態を確認されることをお勧めします。
「一時的なものだから」と放置せず、気になる症状があればお気軽に当院へご来院ください。
丁寧な診察と検査で、現在の心臓の状態をしっかりと確認します。
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