
ファセンラは好酸球性喘息に対して開発された生物学的製剤で、好酸球という白血球の一種を減少させることで喘息症状を改善する注射薬です。IL-5受容体に結合してその働きを阻害することで、気道の炎症を引き起こす好酸球が増えるのを抑えます。
喘息には複数のタイプがあり、その中でも好酸球が過剰に増加して気道に炎症を起こすタイプを好酸球性喘息といいます。このタイプの喘息は吸入ステロイド薬や気管支拡張薬などの標準的な治療では十分にコントロールできないことが多く、頻繁に発作を起こしたり、日常生活に大きな支障をきたしたりします。
ファセンラは従来の治療で効果が不十分だった重症喘息患者様に対して、新たな治療選択肢として期待されています。投与間隔が長いことも特徴で、治療開始後しばらくすると月に一回程度の通院で済むため、患者様の負担が軽減されます。
当院では血液検査や呼吸機能検査を通じて喘息のタイプを詳しく評価し、ファセンラ治療が適しているかどうかを慎重に判断いたします。患者様一人ひとりの状態に合わせた治療計画を立て、安全かつ効果的な治療を提供してまいります。
好酸球が関与する重症の気管支喘息の方
標準治療(吸入ステロイド薬・長時間作用型気管支拡張薬)を続けても症状が安定しない場合が対象です。
血液中の好酸球数が一定以上の方
治療前に血液検査を行い、好酸球数が基準を満たすかを確認します。過去の数値が高くても、現在の値を再確認します。
発作で救急受診や入院を繰り返している方
重い発作が続く方や、経口ステロイド薬を常用している方は、治療の恩恵を受けやすいとされています。
ステロイドの副作用に悩んでいる方
長期使用による骨粗鬆症・糖尿病・高血圧・感染症リスクなどが気になる場合、選択肢のひとつになります。
季節の変わり目や風邪で悪化しやすい方
運動や冷気で症状が出やすい、咳や痰が多い、夜間に呼吸苦で目が覚めるなどの症状が続く場合にも検討されます。
一定の年齢以上の方(詳細は診察で説明)
年齢による適応基準があるため、診察時に個別に確認します。
他の生物学的製剤で効果が不十分だった方
既存の治療で改善が乏しい場合、ファセンラへの切り替えを検討できます。
他の疾患を併せ持つ方も対象になり得る
呼吸器疾患・心疾患・アレルギー疾患などを含め、全体の状態を評価して適応を判断します。
ファセンラは好酸球の働きを抑えることで、気道の炎症を根本から改善します。投与を開始すると血液中の好酸球が速やかに減少し、気道に集まる好酸球も少なくなります。これにより気道の腫れや狭窄が改善され、呼吸が楽になります。
喘息発作の頻度が大幅に減少することが最も大きな効果です。これまで月に何度も発作を起こしていた方が、ファセンラを使用することで発作がほとんど起こらなくなるケースも珍しくありません。救急受診や入院の回数が減り、安心して日常生活を送れるようになります。
呼吸機能そのものも改善されます。肺活量や一秒量といった指標が良くなり、息苦しさが軽減されます。階段を上っても息切れしにくくなった、長い距離を歩けるようになった、夜間にぐっすり眠れるようになったといった変化を実感される方が多くいらっしゃいます。
経口ステロイド薬を使用している方は、ファセンラによって症状が安定することでステロイドの量を減らせる可能性があります。場合によっては完全に中止できることもあり、ステロイドの副作用から解放されることが期待できます。体重増加や顔のむくみ、骨密度の低下といった悩みが改善されることもあります。
咳や痰の症状も軽くなります。朝起きた時の咳き込みが減る、痰が絡まなくなる、会話中に咳が出にくくなるなど、日常的な不快感が解消されます。喘息によって制限されていた活動も徐々に再開でき、仕事や家事、趣味、スポーツを楽しめるようになります。
効果が現れるまでの期間には個人差がありますが、多くの方は投与開始後数週間から数ヶ月で改善を実感されます。継続して使用することで効果が安定し、長期的に良好な状態を維持できます。
生活の質が向上することで、精神的にも前向きになれます。喘息の不安から解放され、外出や旅行を楽しめるようになる、仕事のパフォーマンスが上がるといった変化は、患者様にとって大きな意味を持ちます。
ファセンラの処方と治療の流れ

STEP1:詳しい診察と問診を行う
これまでの喘息の経過、使用してきた薬、発作の頻度や強さ、日常生活への影響などを丁寧に伺います。
喘息日誌があれば診断の参考になるため、ご持参いただくと役立ちます。
STEP2:血液検査・肺機能検査などで適応を確認する
血液検査:好酸球数、炎症マーカー、IgE値などを測定し、治療の適応を判断します。
肺機能検査:息を吹き込む検査で気道の狭さや可逆性を確認します。
呼気中一酸化窒素濃度:炎症の程度を把握するために測定することがあります。
STEP3:治療内容の説明を受ける
検査結果をもとに、ファセンラが適していると判断された場合、
投与方法・スケジュール・期待できる効果・副作用の可能性・費用などを丁寧に説明します。
不安な点は納得できるまで相談できます。
STEP4:初回投与を実施し、院内で経過観察する
ファセンラは皮下注射で投与します。
初回は当院で行い、投与後はアレルギー反応が起こらないか一定時間院内で様子を見ます。
問題がなければ、以降は定期的に通院して投与を続けます。
STEP5:定期的に通院しながら投与を継続する
最初の3回は一定間隔で投与し、その後は間隔を延ばしていきます。
他の生物学的製剤と比べて投与回数が少ないため、通院の負担が軽くなる点が特徴です。
予約は生活スタイルに合わせて調整できます。
STEP6:治療効果を評価しながら継続する
通院時には、発作の回数、呼吸の状態、他の薬の使用量などを確認します。
必要に応じて血液検査や肺機能検査を行い、好酸球数や呼吸機能の変化を追っていきます。
STEP7:他の治療薬との併用や減量を適切に管理する
吸入ステロイド薬や気管支拡張薬は併用が可能で、継続が推奨されます。
症状が安定してきた場合には、医師の指示のもとで少しずつ減量を検討します。
自己判断で中止すると悪化の恐れがあるため注意が必要です。
STEP8:治療中の不安や疑問はいつでも相談できる
発作時の対処、日常生活での注意点、薬の飲み合わせなど、気になることは何でも相談できます。
安心して治療を続けられるよう、継続的にサポートします。
注意点
ファセンラは一般的に安全性の高い薬ですが、注意すべき点もあります。注射部位に赤み、腫れ、痛み、痒みなどが現れることがありますが、多くは一時的で軽度です。症状が強い場合や長引く場合には当院へご連絡ください。
頭痛や咽頭痛を感じることがあります。多くは軽度で自然に治まりますが、ひどい場合には鎮痛剤などで対処します。発熱が続く場合には感染症の可能性も考えられるため、早めにご相談ください。
まれにアレルギー反応が起こることがあります。蕁麻疹、発疹、呼吸困難、血圧低下、めまいなどの症状が現れた場合には、すぐに医療機関を受診してください。初回投与時や投与量を変更した際には特に注意が必要です。
寄生虫感染症がある場合には、治療を開始する前に駆虫治療を行う必要があります。海外渡航歴がある方や、感染リスクが高い地域にお住まいの方は事前にお申し出ください。ファセンラの投与によって寄生虫感染症が悪化したり、治療効果が低下したりする可能性があります。
ファセンラは喘息の根本的な炎症を抑える薬ですが、急性の発作を止める薬ではありません。発作が起きた場合には、これまで通り短時間作用型の気管支拡張薬などを使用してください。発作時の対処法については、診察時に改めて確認しておきましょう。
妊娠中や授乳中の使用については、十分なデータがないため慎重に判断します。妊娠の可能性がある方や妊娠を希望されている方、授乳中の方は必ず事前にお伝えください。患者様の状況を踏まえて、リスクと利益を比較しながら治療方針を決定いたします。
ワクチン接種については、生ワクチンは避ける必要があります。インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチン、新型コロナワクチンなどの接種は可能ですが、接種時期については当院でご相談ください。喘息患者様はこれらのワクチン接種が推奨されますので、積極的に受けることをお勧めします。
ファセンラ治療中も定期的な通院が欠かせません。症状が改善したからといって自己判断で通院をやめると、再び症状が悪化する可能性があります。長期的な視点で喘息を管理していくことが重要ですので、指定された日程で受診してください。
治療費用は保険適用となりますが、高額になることがあります。高額療養費制度を利用することで自己負担額を軽減できる場合がありますので、詳しくは当院でご相談ください。医療費控除の対象にもなります。
喘息症状でお困りの方、従来の治療では十分な効果が得られていない方、ステロイドの副作用に悩まされている方は、ぜひ当院へご相談ください。詳しい検査を行い、ファセンラ治療が適しているかを判断いたします。発作のない安定した日々を取り戻し、充実した生活を送れるようサポートいたします。
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