気になる病気の情報や症状のほか、
その時節・情勢に合わせた医療情報をお届けします。
毎年9月9日は「救急の日」、救急の日を含む1週間(日曜日から土曜日)は「救急医療週間」と定められています。
令和6年中の川崎市救急出場件数は89,114件で過去最多となりました。そのうち入院を必要としない「軽症」と診断された方は、37,657件で半数を占めます。救急要請した中には、「交通手段がなかったから」等、緊急性の乏しい理由のものもあります。限りのある救急車ですから、適正な利用を考えていきたいですね。
今回は、脳卒中の疑いがある時に覚えておきたい「FAST」という言葉についてお話します。脳卒中(脳血管疾患)は、日本人の死因の第4位、寝たきりになる原因の第1位の病気です。迅速に対応することで助かる命、重篤な後遺症を回避できるかもしれませんので、是非覚えておいてくださいね。
「FAST」とは、脳卒中にみられる3つの症状と発症時刻の頭文字をとった言葉です。
「FAST」の「F」は「Face(顔)」、顔に麻痺症状がないかを確認してください。笑顔を作るようにお願いして、顔の片側だけが下がったり、顔のゆがみがみられたりします。
「FAST」の「A」は「Arm(腕)」、腕に麻痺症状はありませんか?両腕を前に伸ばして維持してもらって、片腕が上がらなかったり、維持できずに片腕だけ下がったりします。
「FAST」の「S」は「Speech(発話)」、短い文章(例「今日は良い天気ですね」)を話しかけてもらうようにお願いしても、なかなか言葉が出てこなかったり、呂律が回らなかったりします。
「FAST」の「T」は「Time(発症時刻)」、上記症状が出た発症時刻をメモしておいて、救急要請時に伝えるようにしましょう。※発症時刻によって、治療内容が変わります。
「Face(顔)・Arm(腕)・Speech(発話)」の症状のうち、1つでも症状が出ていれば脳卒中の可能性は70%以上と言われています。「Time(発症時刻)」を確認して、迷わず119番、救急要請してください。
猛暑でたくさん汗をかいて、代謝が上がって痩せたはず!しかし、実際には夏は太りやすい季節といわれています。食べすぎたり、アルコールを摂りすぎたり、夏太りして中性脂肪が気になる方や健康診断で中性脂肪の値が高いと指摘された方は是非ご一読ください。
中性脂肪は、空腹時で150mg/dL未満、非空腹時で175mg/dL未満が目標値とされています。中性脂肪は、身体を動かすエネルギーを貯蔵したり、皮下脂肪として体温を保持したり、内臓への衝撃を守るなど、身体にとってはなくてはならないものですが、増えすぎる(高中性脂肪血症)と動脈硬化性疾患や急性膵炎を発症するリスクとなります。
高中性脂肪血症の原因には、遺伝的なもの(家族性高中性脂肪血症)と生活習慣やメタボリックシンドロームなどの影響によるもの(二次性高中性脂肪血症)があります。
家族性高中性脂肪血症は、遺伝子異常が原因で血液中の中性脂肪が増加する遺伝性の病気です。家族性の場合は、出来る限り早期から脂質管理をする必要があるので、2親等以内に高中性脂肪血症の方がいたら、必ず主治医に報告するようにしましょう。
二次性高中性脂肪血症は、生活習慣の乱れやメタボリックシンドロームなどを要因にするものです。
慢性的な飲酒は肝臓で中性脂肪がたくさん作られ、高中性脂肪血症のリスクを高めます。禁酒日を設け、1回あたりのアルコール摂取量を制限する事で中性脂肪が下がる可能性が高まります。1日ビール500ml、日本酒1合程度を目安にすると良いでしょう。
運動不足・メタボリックシンドロームも中性脂肪を分解する力が弱くなり、高中性脂肪血症のリスクを高めます。1日30分以上・週150分以上の有酸素運動、1日8000歩を歩くなどを目標にすると良いでしょう。食事は、カロリーの過剰摂取を控えて、バランスよく、規則正しく食べましょう。動物性脂肪の摂取を減らして、魚などの良質な脂肪油を摂るようにしたり、食物繊維を多めに摂取することも中性脂肪の改善につながります。
梅雨も明けて、いよいよ夏本番となりました。
今回は脱水予防として「水分補給」についてお話します。
年齢や身体の大きさなどの個体差はありますが、一般的な成人の1日の水分排出量は約2,500㎖(尿から約1,500㎖・皮膚や呼気から約900㎖・便から約100㎖)といわれています。
排出された水分量を摂取すれば良い訳ですが、食事から摂取される水分(約1,000㎖)や体内でエネルギーを発生させる時にできる水分(約300㎖)がありますので、これを引き算すると、飲水などで補給する水分量は約1,200㎖となります。
そして、夏は汗で体内の水分が通常以上に失われる事が多いので、さらにもう少し意識して水分を摂取すると良いでしょう。※汗のかく量にもよりますが、1日1,800~2,000㎖の水分摂取が目安です。
水分は、一度にたくさん摂るのではなく、こまめに少しずつ摂取することがポイントです。
一度にたくさんの水分を摂取しても、身体へ吸収されずに尿で排泄されてしまいます。尿の回数が増えて、かえって水分摂取を控えてしまうという事になりかねませんので、こまめな水分補給が大切です。1時間毎にコップ1杯(約180㎖)の水分量を目安にこまめに摂取すると良いでしょう。
もう1つのポイントは、のどの渇きを感じる前に水分補給することです。
「のどが渇いた!」と感じるのは、既に体内の水分が不足しているという脱水のサインなのです。特に高齢になると、のどの渇きを感じにくくなっているので、脱水を起こしやすいといわれています。
また、カフェイン入りの飲み物は利尿作用があるので、あまり水分補給には適していません。コーヒーや紅茶、緑茶などはカフェインが含まれているので、水や麦茶・ノンカフェイン飲料のものが良いでしょう。
上手に水分補給をして暑い夏をのりきりましょう!
今年の夏も暑いですね!「夏ノ暑サニモマケヌ!」とは思いますが、連日のこの暑さで、いささか閉口しています。皆さま、どうぞご無理のないようにお過ごしくださいね。
今回は「熱中症」のお話です。
熱中症とは、高温多湿の環境下で、発汗による体温調節等がうまく働かなくなったり、体内の水分と塩分のバランスが崩れたりして、体内に熱がこもった状態のことをさします。
めまいや立ちくらみ、重症化すると、吐き気や全身けいれん、意識障害をきたすこともあります。重症の場合は命に関わりますので、早期の手当がとても大切です。
熱中症は、気温や湿度などが大きく関係しています。気温が高く、高湿度、風通しが悪い環境下で激しい運動をすれば、当然、熱中症になるリスクはとても高くなります。
ただ、熱中症は早期に異常を発見して、対処すれば重症化はさけられるのです。
めまいや気分不快、立ちくらみなどを感じたら、無理せずにすぐに涼しい場所へ移動して、身体を冷やして、水分補給をしてください。
症状の改善がみられなければ、医療機関への早期の受診をお勧めします。意識がない時には、ためらわずに救急車を呼びましょう。
そして、とても怖いのが高齢者の熱中症です。熱中症による死亡者のうち、約8割が65歳以上の高齢者といわれています。高齢になると暑さを感じにくくなり、さらに体温調整機能は低下しています。日常生活の中で徐々に体内に熱が蓄積して、周囲の人に気づかれずに対応が遅れるケースが多くみられます。特に、独居の高齢者で、高血圧症、糖尿病、認知症や精神疾患等の基礎疾患を有する方は重症化しやすく、死に至る場合もあります。
「暑くないから大丈夫!」と思わずに、暑い日にはエアコンをつけて、こまめな水分補給を心がけましょう!
関東でも梅雨入りを迎えましたね!皆さま、お変わりなくお過ごしでしょうか?
梅雨の時期は喘息が悪化したり、息苦しかったり、胸が重苦しくなることがあります。その原因として、ダニやカビに関与したアレルギーによることが考えられます。
梅雨のジメジメした時期は、ダニが最も繁殖しやすい時期と考えられています。ダニの死骸やフンなどのハウスダストを吸い込むことで、咳喘息のアレルギー症状を引き起こすことがあります。
また、湿度が高くなり、エアコンのフィルターに付着していたカビが増殖して、クリーニングをしないで久しぶりにエアコンを使い始めることで、カビの胞子を吸い込んで喘息発作を誘発することがあります。特にここ数年はコロナ禍により在宅勤務が多くなり、自宅で過ごす時間が長くなることで、「咳が出やすくなった」という方が多くいらっしゃいます。受診してはじめて喘息と分かる場合もあります。
梅雨時期の対策として、ソファやカーペット、布団は特にダニが繁殖しやすい場所なので、小まめに掃除機をかけたり、天気の良い日には布団を干したり、布団乾燥機を使用する事で、ある程度の予防が可能です。
しばらく使用していなかったエアコンは、使用する前にフィルターなどのクリーニングをすると良いでしょう。
雨が続いて、過ごしにくい日が続きますが、喘息発作が起こらないような環境作りをどうぞ心がけてください。
喘息発作という程ではなくとも、息苦しさを感じたり、胸が重い感じをしたり、少しでも体調不良を感じる時は、どうぞお気軽にご相談ください。
令和7年度より、川崎市で高齢者を対象とした帯状疱疹ワクチンの定期接種が始まります!
対象者や自己負担金額などは「予防接種」欄に掲載しましたので、ご確認ください。
👉予防接種「帯状疱疹予防接種」
~帯状疱疹~
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスを原因とする病気です。激しい痛みと赤い斑点と水ぶくれが集まって帯状に生じることが名前の由来です。時に全身に発疹が広がる場合もあります。
子どもの時に、水ぼうそうになった経験がある方は多くいらっしゃると思います。水ぼうそうが治った後もごく少量のウイルスが神経に潜んでいて、過労やストレスなどで免疫力が低下するとウイルスが再び活性化して帯状疱疹を発症します。皮疹が治った後も疼痛が数か月から数年にわたって続くことがあります。
50歳頃から発症率が高くなり80歳までに3人に1人が発症するといわれています。
川崎市より6月下旬から個別に通知書が発送されるそうです。この機会にどうぞ帯状疱疹ワクチンの接種をご検討ください!
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